純正ECU書き換え用データ作成 ECM書き換え

ただ今JB23ジムニー7型以降用の純正ECUチューニングデータを作成中です。
弊社には以前から純正ECU書き替え用のデータが作成して有りましたが、そちらはMT、ATどちらにも対応できるデータでしたので、今回はMT専用のデータを作成中です。
MT専用であればより詰めたデータにする事が出来るからです。
というのも、ATの場合は変速時やキックダウン時に非常にノッキングが発生しやすいという問題があり、それらを考慮して安全マージンを取るとMTに使用した場合には特に点火時期に関して少し余裕を持ちすぎかなという感じでした。
ここで少し点火時期とノッキングについて説明させていただきます。
画像のグラフはECUのデータロガー画面です。
MAPの値、つまりブースト圧が一定の時に回転数が上昇していくと点火時期が緩やかに上昇していくのが分かると思います。
この様に綺麗な形を描く様なデータを作れればスムーズな加速が得られるわけです。
次の画像はノックセンサーの値もグラフに追加したものです。
ノックセンサーが拾ったノッキングの波形が分かると思います。
この波形は説明するために弊社の車両にてわざと起こした軽ノックのものですが、分かりやすくする為スケールを大きくしてあります。
ヘビーノックを起こさせるとエンジンが壊れてしまいますので。
点火時期を進めるとパワーは出る反面ノッキングが発生しやすくなります。
セッティングとはその様なバランスのせめぎ合いの上に成り立ちます。
そしてノッキングが検知された回転域で、上側のグラフを見ていただくと点火時期のグラフが有りますが、ノックリタード、つまり安全装置が効いて点火時期が大きく遅らされています。
本来上昇していくはずの点火時期が安全装置が働くことで押さえ込まれてしまうわけですから、エンジンの急激な破損は防げる反面本来のパワーも発揮できなくなります。
この事はノックリタードの作動が悪いと言いたいのではなく、そもそもノッキングが発生する程に点火時期を進めすぎることが悪いという事です。
この辺りのバランスを考えずに作られたデータは、ECU付け替え直後は速く感じても乗っているうちにノックリタードが効いていて速くなくなっていったり、またノックリタードも万能ではないので最悪はエンジンを破損させてしまう事だって有ります。
気温や気圧などの環境変化や、ハイオクだとしても給油した場所によってガソリンの質なども違ってくる事も有るのでありとあらゆる可能性を考慮して作られたデータでなくてはなりません。
なので弊社ではデータロガーでダイナパック使用中や実走行中のデータを事細かにチェックしてデータを作成しています。
またあまり知られていないことかもしれませんが、ECUにはチェックサムと言うものがありこれが異なるECUを付けてしまったりデータを書き込んだりしてしまうと重大な不具合が発生します。
意外とこれがECUを扱っている業者さんでも知られていなかったりします。
更に弊社ではECUを書き替えさせていただいた全てのお客さまのオリジナルデータをバックアップとして保存しています。
ECU書き替えを行う場合はその辺りのケアもキチンとしてもらえる業者さんに依頼される事をお勧めいたします。

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