ジムニー JA22のK6Aエンジン圧縮不良の修理です。
こちらの車両は最近になって以前よりもエンジンパワーがなくなってきてしまったとの事で、エンジンの圧縮圧力を測定してみると2番シリンダーの圧縮が極端に低いです。
原因としてはバルブの密着不良やピストンリングの摩耗など様々考えられますが、このエンジンの場合一例として考えられるのがバルブクリアランスのズレです。
バルブの摩耗などによりバルブが引っ込む方向にズレてしまい、バルブクリアランスが規定値よりも減少してしまうことが有ります。
本来ならば消耗した部品を交換するなどの修理が理想ですが、費用的にも高額になってしまうので、完全な解決策とは言えないかもしれませんがバルブクリアランスの調整である程度解決する場合も有ります。
ヘッドカバーを外しました。
オイル管理をしっかりされているので内部はとても綺麗です。
こういうシックネスゲージという工具で隙間を測定します。
ズレている場合はカムシャフトとバルブの間に有るバルブリフターという部品の頭に収まっているシムという円盤を交換して調整します。
100分の1ミリ単位で測定して合わせ込まなくてはいけない精密な作業です。
指で指し示す2番シリンダーの排気側カムシャフトの後ろ側に擦れた様な跡が有るのがお分かりになるでしょうか。
この部分は本来バルブクリアランスが適正ならば微妙な隙間を保っていますので擦れる事は有りません。
ここが接触してしまうほどバルブクリアランスがズレてしまっているという事ですね。
更にここが接触していると、必要がない時にもバルブがカムシャフトに押されている状態になってしまうので、常に排気側バルブが開き気味になってしまい圧縮圧力が低いという症状につながったものと思います。
この様なシムを交換してバルブクリアランスを合わせます。
様々な厚さのシムが必要になるので、有る程度ストックしています。
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