JB64ジムニーやJB74ジムニーシエラは純正で電子制御スロットル、通称電スロですが、それではなくJA11ジムニーです。
電スロとは通常の様にアクセルワイヤーで直接スロットルバルブを引っ張って開けるのではなく、アクセルペダルにセンサーが有って、その信号に基づいてスロットルバルブに付いたモーターでスロットルバルブを開ける仕組みです。
車両は以前弊社で製作したF6A DOHCエンジンを搭載してフルコンLINKで制御していた車両ですが、そちらを今回電スロ化します。
狙いは極悪オフロードやロックセクションでのクローリング能力の向上です。
ロックなどでよくあるのが、タイヤの回転速度を極限まで落としたいという状況です。
特にタイヤが少しでも空転してしまうとタイヤがバウンドしてトラクションが逃げてしまったりラインがズレてしまったりという状況に悩まされる事はあると思いますが、そういう時はアクセルを極必要最低限だけ踏んでエンジン回転数を落とし込み、しかしエンストしない程度にはトルクは発生させなければならないので、求められるアクセルペダル踏み込み量のコントロール幅は1㎜レベルだと思います。
しかし足でこの量をコントロールできるのは余程の達人です。
なので機械の力を借ります。
モード切り替えを設けて通常モードでは普通のスロットル制御、クローリングモードでは、例えばアクセルペダルの踏み込み量に対するスロットルの動き幅を1/5にしておく。
そしてフルアクセルにした場合でもスロットルの方の開度は20%までにする。
こうすると普通のスロットルに比べて5倍の足の動き量がコントロールに使えるので、5倍の細かさでアクセルペダルのコントロールを行なった事になります。
またそれだけでなく、エンジン出力というのは好みや個体の問題も有りますが必ずしもスロットルの踏み込み量に応じた出力量が乗りやすいとは限らないので、アクセル踏み込み量の60%までは本来の出力の40%で走らせて、その先はアクセル100%でエンジン出力100%を使い切る特性にセッティングするとか、逆のパターンにもセッティングできます。
それから現行のジムニーの電スロ特性の為か電スロ=レスポンスが悪いとかかったるいというイメージを持たれている方が多い様ですが、あれはメーカーが燃費や環境性能も考慮して設定した乗り味なので電スロ=その特性というわけではありません。
むしろ電気信号で伝わるわけですからそこに遅れなど有るはずも無く、問題となるのは意図した出力特性やセッティングが感性と合うか合わないに有るものと考えます。
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